2010年、企業の仕出し事業から始まった花かがみ。
2018年には和食居酒屋『花鏡(かきょう)』としてオープンしました。
花鏡の屋号の由来は、室町時代の能役者 世阿弥の「花鏡」にある
『初心不可忘(しょしんわするべからず)』にあります。
ことわざとして広く知られているこの言葉ですが、全文はこうです。
"是非の初心忘るべからず"
"時々の初心忘るべからず"
"老後の初心忘るべからず"
未熟だった時のことを忘れず、その年齢にふさわしい芸に挑んでいき歳をとったからもういいということはない。
限りない向上を促すこの言葉が、わたしは大好きです。
慣れてきたりうまくいったりすると、人は誰しも甘えや驕りが生じるものです。
未熟だった時、つらかった時を忘れてしまいがちです。
コロナ禍の打撃を受け精神的にも経済的にも苦しかったとき
スタッフやお客様、関わるすべての人たちに支えられて今があります。
『お客様に喜んでほしい』
『おいしいお料理で幸せな気持ちになってほしい』
『健康なまま過ごしてほしい』
事業形態は変われど、その気持ちは変わりません。
和食居酒屋としての花鏡は閉店しましたが、今度は花かがみとして新しい一歩を踏み出しました。
お店まで足を運べない方やお体の不自由な方、日々忙しく過ごされている方に
おうちで手軽に本格的なお料理をお楽しみいただけたらと思います。
2022年8月吉日 料理長 泉将徳